第20回日本音楽療法学会学術大会 講習会要旨

これからの音楽療法のあり方を考える

現在の音楽療法は1950年代にアメリカとイギリスから始まりました。この音楽療法というものは欧米の音楽と近代西洋の医療思想をベースに組み立てられたものです。だからその都合でだいたい30分ぐらいで終わるような習慣があり、長く時間がかかる瞑想のようなものは最初から排除されてきました。スタートしてもう70年ほど経ち、そろそろいろいろな再検討の声が上がってきています。ここではそういった問題について概説してみたいと思います。

次のようなトピックについてお話しする予定です。

コミュニティー音楽療法という新しい視点、科学主義の問題、オルタナティヴ・モダニティーとしてのわれわれの音楽状況、音楽療法から排除されてきたもの、親しみやすさばかりの音楽療法への多様な音楽の導入、ミュージッキングという考え方から見た音楽療法

プロフィール

東京芸術大学大学院音楽研究科作曲専攻修了。作曲家、即興演奏家。現在は精神科領域における新しい音楽活動について実践および研究をおこなっている。著書に『子どもための音楽療法ハンドブック』(音楽之友社)、『親のための新しい音楽の教科書』(サボテン書房)、『サステナブル・ミュージック』(アルテスパブリッシング)。訳書に『ポール・ノードフ音楽療法講義』(音楽之友社)、ナハマノヴィッチ『フリープレイ―人生と芸術におけるインプロヴィゼーション』(フィルムアート社2014)など。