第20回日本音楽療法学会学術大会 講習会要旨

実践者が音楽療法を研究するということ・1 その多様な可能性

音楽療法士が日々の臨床を深め、説明責任を果たし、自らの専門性を高め、領域の可能性を拡げて行くために、研究する姿勢は欠かせない。

しかし、音楽療法を「研究をする」とはどういうことなのだろうか?なぜ研究をするのか?どのように初めの一歩を踏み出すのか?なぜ、どのような言語を使うのか?それは、自分の臨床様式や信念とどのように結びついているのか?研究の行われるコンテクストはどのような影響を与えるか?そもそも、自分はその研究を通して「何が知りたい」のか?

マクフェラン教授は世界の音楽療法研究の最前線にあり、また多くの学生の研究を指導してきた実績を持つ。さらに、自らとは異なる研究傾向を持つシルヴァーマン教授と対話を重ね、「音楽療法研究初心者が研究の問いをデザインするためのガイド*」を共著している。

本講義は、B-4「践者が音楽療法を研究するということ・2 その舞台裏」の土台となるものである。

* McFerran, K.; Silverman, M. A guide to Designing Research Questions for Beginning Music Therapy Researchers. American Music Therapy Associations.2018

カトリーナ・マクフェラン プロフィール

メルボルン大学教授、創造的芸術療法科主任。音楽と青少年に関する研究を専門とし、これまで90の出版記事と5冊の本がある("Music, Adolescent and Music Therapy” Jessica Kingsley Publishers. 2010他)。また、音楽療法を一般社会に向けて発信することを重要視し、オープンアクセスのMOOC(大規模公開オンライン講座)”How Music Can Change Your Life" (https://www.coursera.org/learn/music-life)を制作している。またTEDxでは"Returning from the Dark Side with Music”
(https://www.youtube.com/watch?v=bnsM_2QmzsM)のプレゼンテーションが公開されている。Voices: A World Forum for Music Therapy (https://www.voices.no) ** 前・共同編集長。

**Voices: A World Forum for Music Therapy
Kenny C.と Stige B.が初代共同編集長として2001年に発刊したオンライン上の音楽療法学術誌。平等主義と学際的対話を基本方針とし、多様な文化や社会背景からの言説を、専門的査読と無料アクセスのもとで公開している。McFerranはKennyの引退を機に共同編集長を7年間務め、先ごろ退任した。